フィンランド語の分格の用法・語尾変化と、母音調和(あとコーヒーのお話)

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フィンランド語の復習メモです。「格」と「格変化」についての概要、分格の用法と語尾変化と、「母音調和」について学習します。

それから、フィンランドではコーヒーがとてもよく飲まれています、というおはなし。

キーフレーズ

Se on suolaa.
It’s salt.

ダイアログと単語

Helen: Mitä tämä on?

Emmi: Se on suolaa.

Helen: Entä tämä?

Emmi: Se on sokeria.

Helen: Hyvä. Nyt tarvitsen vielä teetä.

Emmi: Sitä on tässä.

Helen: Kiitos.

単語 英訳
suola salt
entä how about
sokeri sugar
nyt now
tarvita need
vielä still
tee tea
tässä here
Kiitos thank you

ダイアログ英訳

Helen: What’s this?

Emmi: It’s salt.

Helen: How about this?

Emmi: It’s sugar.

Helen: Good. Now I still need some tea.

Emmi: There’s tea in here.

Helen: Thank you.

単語に関する補足

vielä

上のダイアログではstillと英訳されていますが、この単語は他にも以下のような意味を持ちますので、文脈に応じて判断します。

  • still
  • not yet
  • more

tässä

tässä(英語のhere)は、前回学習した単語tämä(英語のthat)が副詞になったものです、という説明がありました。詳しい文法解説はまた後のレッスンで、とのこと。

「格」と「格変化」について

フィンランド語は多くの「」を有することばです。

格についての説明は、以下のようなものでした。

  • 他の単語との関係性を示すもの。英語の属格形(”I”に対する”my”)のようなもの
  • 文章の中で、その単語が持つ役割(主語なのか、目的語なのか…)を示すもの

なんだか難しいですが、すこしだけ補足。

単語をならべて文章をつくるとき、日本語の場合は助詞(いわゆる「てにをは」)をつけることで格を示します。

  • わたし ドーナッツ 食べる
  • わたし(主格) ドーナッツ(対格) 食べる

英語の場合は、単語自体の格変化はなく(代名詞をのぞいて)、語順前置詞によって格を示します。

  • Coffee(主格) is delicious.
  • I love coffee(対格).

単語のかたちは変わらず、例えば動詞の後ろに名詞を置くと対格になる、というように、語順で格を示しています。

フィンランド語はこの点においては英語より日本語に近くて、単語の語尾に何かをつけて格を示すことばです。

その語尾の変化が複雑で、格の種類が多い(15格)ため、フィンランド語の格をマスターするのはとっても難しいわけです。

今回のレッスンでは「分格」を学習します。

フィンランド語の分格の用法

次のようなことを表現するとき、フィンランド語の名詞は分格のかたちをとります。

何かの一部

フィンランド語の分格の基本的な意味は、「何かの一部」です。英語のsome… にあたる意味をもちます。

Tarvitsen sokeria.
I need some sugar.

主格(sugar)はsokeri

Anna Jussille maitoa.
Give Jussi some milk.

主格(milk)はmaito

素材、材料など

ものを構成する素材や材料などをあらわす場合も分格となります。英語のmade of… とか、consists of… にあたる意味。

Se on sokeria.
It is sugar.

Tämä lautanen on muovia.
This plate is made of plastic.

主格(plastic)はmuovi

動詞の目的語

kehua(英語のpraise)、kiittää(英語のthank)のような動詞は、「~を賞賛する」、「~を感謝する」といったようにかならず「~を」という目的語をとりますが、その目的語となる名詞は分格の形になります

Hän kehuu minua.
He praises me.

主格(I)はmina

Jussi kiittää Emmiä.
Jussi thanks Emmi.

「どのようなものか」をあらわす

何かについて、それが「どのようなものか」をあらわす場合も分格の形になります。

…という説明ではよくわからなかったのですが、以下のような例が挙げられていました。

Tee on hyvää.
Tea is delicious.

主格(delicious,good)はhyvä

それから、上の「単語を用いた例文」にもこんな文章がありました。

Sokeri on epäterveellistä.
Sugar is unhealthy.

主格(unhealthy)はepäterveellinen

フィンランド語の分格の作り方

語幹がひとつの母音で終わる名詞

分格の語尾は -a または になります。

lasi suola minä
主格 lasi suola minä
語幹 lasi- suola- minu-
分格 lasia suolaa minua
英訳 (glass) (salt) (I)

語幹がふたつの母音、または子音で終わる名詞

分格の語尾は -ta または -tä になります。

tee lautanen hän
主格 tee lautanen hän
語幹 tee- lautas- hän-
分格 teetä lautasta häntä
英訳 (tea) (plate) (he,she)

「主格」がeで終わる名詞

「主格」が-eで終わる名詞の多くは、分格の語尾が -tta または -ttä となります。

terve
主格 terve
語幹 terve-
分格 tervettä
英訳 (healthy)

以上、分格の語尾の大まかな分類を挙げましたが、末尾がaä のどちらになるかについては、その単語に含まれる母音によって決まります。

そのことについて、母音調和の説明とともに以下に解説。

母音調和

母音調和の概要

フィンランド語には、ひとつの単語の中に共存してはいけない母音の組み合わせがあります。

これは、今回の「分格」に限らず、フィンランド語の単語全般が持つ現象で、母音調和と呼ばれます。

フィンランド語の母音と母音調和

フィンランド語には8つの母音がありますが、発音という観点からは、以下のみっつに分類することができます。

前母音 y ö ä
後母音 u o a
中立母音 i e -
  • 前母音(舌を前に出して発音する母音)… y/ö/ä
  • 後母音(舌を奥に引いて発音する母音)… u/o/a
  • 中立母音(それらの中間)… i/e

この分類のうち、前母音後母音は、ひとつの単語の中に共存してはいけません

なので例えば「分格」の例のうち、suola(salt)という単語には後母音のa が含まれていますので、分格の形にするとき、前母音のä を語尾に置いてsuolaäとすることはできません。
おなじ後母音のa を使い、suolaaとします。

フィンランド語の分格と母音調和(まとめ)

まとめます。

a,o,uを含み、語幹がひとつの母音で終わる名詞

分格の語尾は -a になります。

suola(salt)
:a,o,uを含み、語幹がひとつの母音-aで終わる

  • 主格はsuola
  • 語幹はsuola-
  • 分格はsuolaa

lasi(glass)
:aを含み、語幹がひとつの母音-iで終わる

  • 主格はlasi
  • 語幹はlasi-
  • 分格はlasia

a,o,uを含まず、語幹がひとつの母音で終わる名詞

分格の語尾は になります。

mikä(what)
a,o,uが入っていなくて、語幹がひとつの母音-iで終わる:

  • 主格はmikä
  • 語幹はmi-
  • 分格はmitä

a,o,uを含み、語幹がふたつの母音で終わる名詞

分格の語尾は -taになります。

a,o,uを含み、語幹が子音で終わる名詞

分格の語尾は -taになります。

lautanen(plate):
a,o,uは入っていなくて、語幹が子音-sで終わる

  • 主格はlautanen
  • 語幹はlautas-
  • 分格はlautasta

a,o,uを含まず、語幹がふたつの母音で終わる名詞

分格の語尾は -täになります。

tee(tea):
a,o,uは入っていなくて、ふたつの母音-eeで終わっている

  • 主格はtee
  • 語幹はtee-
  • 分格はteetä

a,o,uを含まず、語幹が子音で終わる名詞

分格の語尾は -täになります。

hän(he,she):
a,o,uは入っていなくて、子音-eで終わっている

  • 主格はhän
  • 語幹はhän-
  • 分格はhäntä

今回は分格の基本的な用法と語尾変化の分類を学習しましたが、分格はもっとたくさんの意味(用法)を持ちますし、語尾が不規則に変化する単語も多くあるようです。がんばる。

フィンランドのコーヒー

フィンランドは世界最大のコーヒー消費国のひとつであるとのこと(聞いたことなかった)。

18世紀にコーヒーが伝わってすぐに、フィンランドでは一流の飲み物として愛されることとなります。コーヒー豆が手に入らないときは、ライ麦や大麦を使ってコーヒーに近い飲み物をつくって飲んでいたそう。

お茶よりもコーヒーのほうがスタンダードな飲み物として扱われているそうで、2011年には、国民ひとり平均9.7 kgのコーヒー豆(焙煎)を消費したとのこと。

なお、コーヒーはフィンランド語でkahviといいます。

今日学習したエピソード

FinnishPod101 Absolute Beginner S1 #4 What’s That in Your Finnish Cup?