2017年、スマートフォンは人間よりも賢くなる、というレポート
ITリサーチ企業Gartnerのレポートが興味深かったのです。
Gartnerのリサーチ担当Carolina Milanesi氏のレポートによると、スマートフォンは間もなく、蓄えられた情報に基づいて利用者の行動を解釈し、次の行動(何をするか、何を買うか…)を予測できるようになるそうです。
これはパーソナルクラウドコンピューティングの次のステップ「cognizant computing 」(認識コンピューティングって訳せばいいのでしょうか?)によるものとのこと。
スマートフォンはよりスマートになり、2017年には利用者より賢くなるだろう。
たとえば道路が渋滞しているとき、それが上司との会議の日なら、スマートフォンは利用者を早めに起こしてくれる。でもそれが同僚との会議の日なら、ただごめんなさいとメールを送るだけにしてくれる。
雑用(自動車などの予約、タスクリストの作成、誕生日カードの送信、メール・メッセージの応答など)を手伝ってくれるようになることで、利用者が本来の業務に専念できるようになる。
こんなふうにスマートフォンは、カレンダー・センサー・利用者のいる位置・個人データから情報を収集するそう。なんだか秘書さんみたいですね!iPhoneのSiriなどがもっと賢くなるイメージ?けっこう今でも近い体験ができていますし、現実味ありますよね。
でも、利用者が適切な情報を提供すればという条件がもちろんつきます。スマートフォン自身がほんとうに賢くなるというわけではないですものね。それから、適切な情報を提供するためには規制やプライバシーの問題を解決する必要がある、というコメントもありました。
それで、この「cognizant computing 」という言葉はこれまで聞いたことがなかったのですが、以下のような説明がありました。クラウドコンピューティングの流れについての図解です。

- Sync Me:デジタルデータのコピーを保管し、すべてのエンドポイントやコンテキストにわたって個人データを同期する
- See Me:利用者の位置や行動を知り(インターネット上でも日常でも)、気分とそれに合わせたよりよいサービスを理解する
- Know Me:利用者の欲するものや必要なことを理解し、行動を予測し、利用者に通知する
- Be Me:学んだルール・明示的なルールを基礎に、利用者の代わりとしてふるまう
いまは「cognizant computing 」に到達するための4つのステップのうち、1ばんめのSync Meと2ばんめのSee Meまでができている段階とのこと。
でも、現状でもなんとなく、3ばんめの一部くらいまでは、便利なアプリがやってくれたりしますよね。かゆいところに手が届かない感じがこれから補完されていくのでしょうか。わくわくします。
いずれにせよ、この「cognizant computing 」は今後2~5年で強力な市場になるでしょう、と予想されていました。
ところで先日、日本では利用できないこんなタスク管理アプリの記事を読みました。こんな便利なアプリ、日本でも使えたらいいのに!
これの代わりに、Siriをもうちょっと有効活用したいなあ…なんて考えたり、タスク管理アプリをあれこれ試したりしていたところに読んだレポートでしたので、とっても興味深かったのでした。